森をつくる

2025年3月23日 峰の原高原「森と草原のリトリート」冬のモニター体験会を開催しました【心の健康コース】

本プログラムは、森を活かした心と身体の健康づくり・企業研修等を提供するガイドを養成する「峰の原高原・森と草原のリトリート ナビゲーター養成講座」の修了生である『森と草原のリトリート研究会』の会員が中心になって、試行的に初めて企画・実施しました。

モニターツアーとして開催したため、実費のスノーシューレンタル代・ランチ代以外の参加費は無料とし、アンケート等にご協力をお願いしました。

開催概要
2025年3月23日 心の健康コース
内容
AM 白銀の世界で、スノーシューでの森林浴を体験!冬の森を楽しみましょう!
PM 冬の森でお気に入りの香りを見つけよう!森の樹木を使ってアロマウォーター蒸留体験

 

AM スノーシューでの森林浴体験

朝から冬用のスノージャケットが必要ない程の暖かい気温の中の開始となりました。
前日からの春めいた天気で雪解けが心配でしたが、スノーシューで歩くのになんら問題はなく、抜群のコンディションでした。

森林浴ガイドを志す私達はというと、森へお客様をご案内するすべてが初めてです。
最初は緊張が隠せませんでしたが、その抜群のコンディションと参加者の皆さんの和やかな雰囲気のおかげで森に入るとすぐに緊張もほぐされました。

参加者様10名様に対し、森林浴ガイドを研究会の会長である伊藤さんが務め、補助員として私を含め4名、総勢17名の大ツアーとなりました。

◆森林浴で行ったこと

・スノーシューウォーキング
・ソリ滑り
・ストレッチ
・サンセットテラスから眼下市街地と北アルプスを望む
・峰の原高原の樹木の香りを嗅ぐ(イチイ、モミ、ドイツトウヒ)
・目をつむり手のひらを空に向けて太陽の位置を当ててみる
・大笹街道の説明
・目をつむって瞑想ウォーク(ブラインドウォーク)
・リラックスのための呼吸法
・動物の足跡探し
・森の中でのティータイム
・自分のお気に入りの木との対話
・ソロタイム(お気に入りの木の近くでひとりになって内省する時間)

◆スノーシューで歩く・ソリ遊びをするという非日常体験

参加の方々は普段からアウトドアや運動を楽しまれている方もいらっしゃいましたが、「スノーシューを履いて森を歩く」ということ、森林浴の合間にひと時「ソリ遊びをする」という体験が、日常から離れた体験である方がほとんどで、雪原を目の前にして今その瞬間を味わい、楽しんでいらっしゃいました。

参加者のおひとりが「スキーもスノーボードもしない私がこうして雪の森の中を歩くことができてとても楽しかった」とおっしゃっていました。
それこそが冬しか味わえない冬のリトリートである事を私も再確認させていただきました。

ちなみにソリ遊びは、前日に私達メンバーが現地下見を行った際、3名が同じ場所を何回か滑る事によってそこが滑り台になったのですが、それ以後雪解けが進んだ後の夜の冷え込みでその滑り台がつるつるになり、スピード感満載のちょっとスリリングなソリ遊びとなりました!

お客様にどうなってほしい?
ナビゲーターとしての心構え、態度、技術

体験会開催にあたり、森林浴をすることによってお客様にどうなってほしいのかを改めて考えました。

いつも頑張っている仕事や家事から離れ、森の中に身体を委ね五感を使って心を開き、心身ともにすっきりとしてご自分の本来の元気を取り戻してほしい。そして森の中で感じた何か気付きを得てご自宅に帰り、日常生活がちょっといい感じに変わったらいいな

というのが私の自分の言葉でのお客様への想いです。

ナビゲーターとして、ストレッチをしながら自分の身体の状態を知る、針葉樹の香りを嗅ぐ、フィトンチッドや1/fゆらぎ、呼吸法について知っていただく、好きな木を選んでじっくり眺めてみたり触ってみたり寄りかかってみたりする…など、森の中でやっていただく様々な事がそれぞれどういう目的であるのかも頭にしっかりと入れておく必要があります。
ナビゲーターのリーダーである伊藤さんが今回作ってくださったプログラムデザインシートをもとに改めて事前学習しました。

その上で当日どのようにふるまい、ご案内するのか…。
今回伊藤さんを見ながら勉強でき、お客様と一緒に楽しんで歩きながら学ぶことができたことが何よりでした。

やはり座学だけでなく現場をお客様と歩き、その後お客様がどう感じられたかを聞くことが、経験を積む上でとても貴重なものであると思いました。

 

PM 峰の原高原の代表的な樹木ドイツトウヒを使ってアロマ蒸留体験とアロマハンドケア

峰の原高原のカフェCHICHIPI(チチピ)さんで、健康を意識して作っていただいた減塩ランチをいただいた後は、ドイツトウヒからアロマウォーターを蒸留しました。
午後のプログラムは研究会のアロマ部会が中心となって1から考え行いました。

森林浴の最後に皆さんで採取したトウヒの枝も合わせて、まずはハサミで枝葉を細かくカットしました。
カットしているうちに会場内が針葉樹の香りで満たされてきました。

蒸留の準備、操作は主に岡村さんが段取りよく手際よく進め、参加者様にお土産で持ち帰っていただける分を蒸留するのに1時間ほどかかるため、その間にアロマセラピストである新川さんの主導にてアロマハンドケアの体験を行いました。

◆午後のプログラムで行ったこと

・ドイツトウヒのカッティング  
・蒸留器を使ってドイツトウヒのアロマウォーター抽出
・ルームスプレー作り
・アロマハンドケア
・アロマの香り、アロマケアの効果についてのお話

◆アロマハンドケア体験

参加者様は個々にトウヒかラベンダーオイルのどちらかを好みで選び、2人1組になってハンドケアをしあいました。
最初はお互いに緊張もあるように見受けられましたが、まさに香りの力、進めるうちに徐々に和やかな会話も生まれ、皆様癒し癒されていきました。

ハンドケアの前後・合間には香りの様々な効果・効能について新川さんが講義をし、「コロナで鈍くなった嗅覚は、分かりづらい香りを何度となく嗅いで、その香りを鼻に慣らしていくと治る可能性がある」等、興味深い話が聞けました。
肌に触れられる事が非日常でもあり、それによる温もりと優しさによっても心と身体が癒されていくのだと思います。

◆アロマ蒸留体験+ルームスプレー作り

約一時間で、予定していたより多めのアロマウォーターが蒸留できました。
予めスプレー容器に入れられていたエタノールに好みの香りを2滴入れて混ぜたところに、蒸留できたアロマウォーターを注入すると、ドイツトウヒの香りベースのルームスプレーが出来上がりました。
参加者様は集中してご自分の好みの香りを探し、真剣な眼差しでした。

アロマ部会のメンバーも今回初めてこのような蒸留体験の場を設定しましたが、新しく買いそろえられた蒸留器の使い方に慣れるため事前に蒸留を行ってみたり、細かな備品の準備、抜かりない打合せ等、連携プレーにより充実した内容の時間となりました。
部会メンバーの新川さんと岡村さんの温かくおおらかな雰囲気がにじみ出た和やかな時間となり、参加者様にはリラックスして臨んでいただけたように思います。

◆アロマの蒸留体験を行う目的

日常生活の中でもアロマオイルを部屋で焚いたり、香りのあるスキンケア用品等を使われている方は少なくないですが、なぜリトリートプログラムでアロマ蒸留体験なのか、実施する目的を改めて考えてみました。

森の中で自分達が採ってきた樹木から香りを抽出するという体験を通して、森と樹木の持つ癒しのパワーを改めて知っていただく事、抽出できた香りを持ち帰ってご自宅で使っていただいて峰の原高原の森で過ごした心地よい感覚を思い出し、ご自宅でもリラックスしていただく事(=セルフケア)が大きな目的だと思います。

そうして森林浴やアロマ体験から参加者様の体験後の生活がちょっと変わり、その積み重ねが心の健康に繋がっていくことが最終的なゴール、私達が追及していくところだと思います。
持ち帰られた樹木の香りを嗅ぐたびに峰の原高原での心地良さを思い出し、季節を変え回を重ねて足を運んでいただいて、多くの方の健康が増進されていくことを願っています。

お客様の感想

参加者様からいただいた感想を一部ご紹介します。

普段からあちこち出かけるのが好きで最近も出かけることが続いていて今日を迎えたのですが、森林浴を終えた今、朝出かける時よりも心も身体も軽くて、ああ私少し疲れていたんだなと感じました。

普段家にいる時はテレビをなんとなく付けていたり音楽を流していることがほとんどですが、森の中の静けさや森の中の自然の音がとても心地良く、自然の音に癒されました

森の中での時間てこういう事なんだなと、休むって字の通り人が木に寄りかかったり木のそばでくつろいで過ごす。とっても納得しました

人生初のスノーシュー体験ができ、また自然をたくさん感じられたところがよかった。特に目を閉じて周りの音を聴いたり太陽の方向を予想したりと、普段の生活ではあまり意識しない体験ができて楽しかった

力んでいる感覚が抜けた瞬間があり、そこから力を抜いていられるようになりました

精油の抽出という中々見れない物を見せて頂きました。ハンドケアは施術する側、してもらう側を体験でき良かったです。帰ってからもやってみたいです

自分たちの取ってきた植物で蒸留体験ができたところがよかったです。用意してあるものではなく、自分たちで採取したものが実際にオイルになるのは嬉しい体験でした。こういったお土産があると、帰った後にも話題にしやすいと思います。アロマハンドケアも受けたことがなかったので新鮮でした

ハンドケアは慣れない事で恥ずかしさもありましたが、とても気持ちが良く、眠りそうになりました。アロマは香りが持ち帰れるとのことで、日常でもリラックスできそうで嬉しかったです

子どもや夫の世話から、1日離れたことで、リフレッシュできました

 

最後に

これから私達は、峰の原高原で様々な健康・企業研修プログラムを構築し展開していきます。
そのプログラム体験を通して、参加された皆様の真の健康=ウェルビーイングのお手伝いができるよう望んでやみません。
そして私達ナビゲーターもこのようなプロジェクトに携わらせていただく事を通して、心も身体も社会的にも健康でありたいと思っています。

今回このような機会を設定し、私達と一緒に当日の運営に携わっていただいた関係者の皆様、プロジェクトにご理解いただいております峰の原高原の皆様、今回ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございます。

研究会メンバーの一人ひとりが個性に溢れ、その総力結集で今回の体験会を作り上げることができました。
私達の『森と草原のリトリート研究会』には他に「企業研修・チームビルディング部会」、「森づくり」部会があります。
各部会では森の中で行う企業研修プログラムや、多種多様な自然と森の恩恵を肌で感じられるような森づくりのプログラムを検討中です。

私達も峰の原高原の自然の恩恵を忘れることなく、大切にしながら活動していきます。
『森と草原のリトリート研究会』のこれからがますます楽しみになりました。

今後も様々な方々からのご理解ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


レポートを対応したナビゲーター:田口 理恵
2024年の夏に峰の原高原『森と草原のリトリート』に出会い、近い将来、峰の原高原をベースに森林浴をガイドするガイドになりたいと思っています。長野市生まれで、現在も長野市在住。季節の移ろいと共にある暮らしが好きです。

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