オオシラビソについて
概要
寿命は短く、100年ほどで集団枯れ死するすることもある。
シラビソと混生することが多く、長期にわたり安定した極相林をつくる。
樹皮は紫色を帯びた独特な色合いで、針葉は密生しているため下から枝を透かしても空が見えないほど。
多雪地帯に強く、雪の重さで枝が下方にしなっても折れることがない。
歴史・文化的な特徴
根子岳の山頂にも、一定の面積がオオシラビソ林を形成している。
マイナス20℃を越える極寒の環境で、どのように寒さに耐えているのか。
水は一般的には0℃で凍結するが、秋から糖分を細胞に貯め込んでいる樹液は簡単には凍結しない。
厳冬期を迎えると、まず細胞の外側の水が凍結する。
動物細胞と植物細胞の大きな違いは「細胞壁」の存在。
細胞壁内での凍結を「細胞外凍結」といい、細胞内での凍結を防止する仕組みを植物は備えている。
細胞外凍結が起きると、細胞から水が外へと滲出し、その水が凍るとさらに水が滲出。
マイナス10℃にもなると、細胞内の水の90%程度が細胞の外に出てしまう。
そのため、細胞内の濃度が上がり凍らなくなる。
科属名 | マツ科 |
分類 | 常緑高木 |
峰の原 分布 |
マイン草原、ツキヌキソウフットパスの境界あたり |
樹皮 | 灰白色で平滑、皮目が横長で、縞模様になる。 |
葉 (新緑) |
— |
葉 (黄葉) |
1年中濃緑色 |
花 | 花は6月に梢の先に集中巣、雄花は小枝の先に群生し単生。 雌花は暗赤色で直立する。 |
実 | イチゴのような球果は、年内に成熟し暗青紫色になる。 長さは4~6cmで円柱形。 |
冬 (冬芽) |
茶色く目立たない |
五感でたのしむ
《癒す・触れる・聴く》
香る(枝葉等) | 松脂のお香 | 通年 |
整う等(葉等) | 森の香り、フィトンチッド | 通年 |
《暮らす》
建材(幹等) | 建築・器具材、パルプ | — |