アカマツについて
概要
先駆樹種。乾燥に強いので、尾根筋に多い。
若木は陽樹で、新しい土地によく生える。
かつては薪炭用などで多く植林された。
最近は、マツノザイセンチュウによる被害などで減少している。
歴史・文化的な特徴
分布地は本州の青森から九州屋久島までの山々で、日本産針葉樹の中では分布する範囲が最も広い。
乾燥しやせた荒地や、他の樹木は枯れてしまったような二次林によく育つ。
木材としての経済林だけではなく、防風林、土砂防止林としても造林されている。
アカマツは塩に弱いので、潮風の強い浜にはクロマツが植えられている。
日本人の祝いごとに必ず登場して、最も上位はマツ。
松根油はマツ属植物の根や枝を乾留して得られる油で、20~30年以上の伐採の際に残った根株(肥松)に特に含量が多い。
戦時中、飛行機を飛ばすガソリンの代用燃料として目をつけられたがあまり大規模な実用化はされなかった。
戦後使用は激減したが、テレピン油、パインオイル、選鉱用、塗装用、薬用と広範囲で利用される。
科属名 | マツ科 |
分類 | 常緑高木 |
峰の原 分布 |
全域 |
樹皮 | 帯赤褐色→灰赤色 不規則な板状にひび割れる |
葉 (新緑) |
常緑 |
葉 (黄葉) |
常緑 |
花 | 花の時期は4~5月で、花には雄雌がある。 雄花は黄色で若い枝の下部に複数個咲き、雄花が咲き終える頃、赤紫色の雌花が日の当たる若枝の先端に1~3個咲く。 雌花は数が少なく見付けにくい。 |
実 | 雌花の後にできる球果(まつぼっくり)は長さ3~6cm程度の卵形で、球果に含まれる種子は長さ5mmほどの歪んだ卵形で細長い翼を持つ。 球果が熟すのは開花翌年の10月頃。 乾燥すると松笠が開いて種子が飛び立つが、湿った状態では堅く閉じる。 |
冬 (冬芽) |
冬芽の芽鱗は赤褐色 |
五感でたのしむ
《嗜む》
茶・薬(葉・花等) | 船酔いの薬 | 通年 |
調理(燻製・炭等) | 松脂 | 6月頃 |
《暮らす》
建材(幹等) | 梁や棟木 | — |
家具(幹等) | 包装材 | — |
《賑わう》
菌類・コケ類 | マツタケ 部位:木の根元 |
9月下旬頃 |