ウリハダカエデについて
概要
本州・四国・九州(屋久島まで)の山地のやや湿気のある谷間や、ゆるやかな斜面に生え疎林内に多い。
落葉高木、幹は直立し高さ8~10m、直径25~30cmになる。日本固有種。
樹皮は若木では暗緑色に黒い縦縞が入り、菱形状の皮目が点在する。
老木では灰褐色で縦に浅く裂ける。
若木の樹皮がマクワウリの果皮に似ていることからその名がついた。
歴史・文化的な特徴
花は雌雄別株、まれに同株。
材は白く、こけしや玩具、細工物、箸、経木などに利用。
樹皮は丈夫なので縄や蓑を作れる。
カエデのことを俗にモミジというが、もともとモミジとカエデは別の意味を持った言葉で、モミジは黄葉や紅葉の漢字を当てるように、本来は秋に草木が黄色や赤色に変わることを意味する動詞の「もみづ」が名詞化したもの。
特に目立って色を変えるカエデの仲間をモミジというようになった。
草木の葉の黄(紅)変することをなぜ「もみづ」といったかというと、ベニバナ(紅花)をもんで赤い色を出すのを揉出(もみづ)といい、これからきたものだという。
赤く染めた絹を紅絹(もみ)というのも、いわれは同じ。
古代語のもみじは語感としては、深紅ではなく、黄色に近いものだった。
次にカエデの語源は「和名抄」に「鶏頭樹、加比流天乃岐(かひるでのき)」とあり、「万葉集」に、「吾が宿に黄葉(もみ)づ蛙手見る毎に妹を懸けつつ恋いぬ日はなし」とあり、古くはかへるでといった。
かへるでは、葉の形が蛙の手に似ているからの名で、カエデ科の樹木のうち、葉が掌状に切れ込んだものをすべてこのように呼んだらしい。
科属名 | ムコロジ科 |
分類 | 落葉小高木 |
峰の原 |
こもれび広場~緋の滝入り口までの森の中、サンセットテラス周辺 |
樹皮 | 暗緑色で、マクワウリの実の模(色)に似ている。 老木になると緑色の部分がわずかに蝶の形に残る。 |
葉 (新緑) |
— |
葉 (紅葉) |
オレンジや赤、黄色と葉によって色が異なる |
花 | 雌雄異株で花は6月に、若枝の先に細長い総状花序を作る。 雌花は雄しべが退化し、雄花は雄しべが退化している。 花弁、萼片は5枚ずつ交互に付く。 |
実 | カエデの仲間としては、やや大きめの翼果がなる。 果序は総状に下垂し、長さが10cm前後。 翼果は2.5~3cmで、2枚の翼は斜めに開く |
冬 (冬芽) |
若葉は薄ピンク色の「芽鱗」が目立つ。 |
五感でたのしむ
《嗜む》
ジャム・シロップ(実・樹液等) | メイプルシロップ | 春先 2月~3月下旬 |
《暮らす》
小物・工芸品 (樹皮・幹等) | 紙や箸 | — |