ブナについて
概要
ブナ科。落葉広葉樹。北海道南西部から本州・四国・九州に分布する。
樹皮は灰白色でなめらか、葉は卵形で、葉の縁には波状の荒い鋸歯がある。
ブナに似たイヌブナは樹皮が灰黒色で、葉の裏に長毛が残ることなどで区別できる。
ブナは関東以南では、暖帯林が温帯林に変わる山地内で見られるが、東北地方では平地に生育ブナの純林も残っている。
青森県から秋田県にまたがる「白神山地のブナ純林」は1993年、世界自然遺産に登録された冷温帯を代表する樹種。
歴史・文化的な特徴
ミズナラ・トチノキ・ ホウノキなどが混生するブナ林は、山菜やキノコの宝庫。
淡黄色の小さな花が5月中旬に新葉と一緒に開き、雌雄同株で雄花は615ヶが一つの房になり、新しい枝の下の方の葉の元からぶらさがる。
雄花は新しい枝の上の方の葉のわきから2つ上を向いて付く。
果実は10~11月頃に熟し、栗のイガにあたる殻斗(カラ)の部分が茶色に変わる。
殻斗は短い針状のものに覆われている。
これが4つに割れて、中から栗色で三角錐の形をした堅い実が2つ出てくる。
長さ1.5~1.8㎝位の大きさである。
葉が出た頃は両面に長い絹毛があるが、しばらくすると両面とも脈の上に少し残すだけとなり、表面は滑らかで光沢が出てくる。
材は堅いが耐久性に乏しい。
くるいも多いことから、針葉樹に比べて利用価値が低い樹種とされてきた。
近年、人工乾燥法が発達し、くるいを除去することができるようになり、ナラ材とともに、木工家具の材料として見直されるようになってきている。
西欧では”森の女王様”と呼ばれ、昔から親しまれてきている。
科属名 | ブナ科 |
分類 | 落葉高木 |
峰の原 |
横見沢橋~根子岳登山道の土手道 ※植えられたもの |
樹皮 | 灰白色あるいは暗灰色、滑らかで割れ目は無い。 しばしば地衣類が付いて模様ができる。 |
葉 (新緑) |
雪解けと共に展開する若葉の頃や黄葉の頃は美しい。 ブナの葉の特徴は、側脈の終端が鋸歯の凹部に入ること |
葉 (黄葉) |
黄葉した葉は、カシワなどと同様、落下せずに翌春まで枝に残る |
花 | 淡黄色の小さい花 |
実 |
タンニンなどの毒成分が無く、マツやオニグルミの実に次いでカロリーが高く、山の動物たちの格好の食料になるクマ棚がよく作られる木でもある。 |
冬 (冬芽) |
冬芽は芽鱗に覆われた細長い紡錘形で、花と葉の混じった混芽と、 葉のみの細い葉芽がある。 |
五感でたのしむ
《嗜む》
食材(新芽・実等) | 炒めると食用 | 5月(実生) |
調理(燻製・炭等) | 灯油や食用油 | 9月 |
《暮らす》
小物・工芸品 (樹皮・幹等) |
食器 | — |
《賑わう》
動物 | リスやクマ 部位:実 |
10月頃 |