リョウブについて
概要
リョウブ科リョウブ属。古名で「ハタツモリ」という。
北海道南部から九州・済州島に分布し、山林に多く見られる。
パイオニア的傾向が強い。高さ10m。直径25cm。
リョウブ属の植物は、日本では1科1属1種。
樹皮は表面が縦長な形に剥げ落ちて、その後茶褐色で滑らかになるので、「サルスベリ」と呼ぶ地方もある。
葉は長さ10cm、幅3cmほどで倒卵形に近い楕円形、縁には細かい鋸歯がある。
木材としては、散孔材で帯紅淡褐色、緻密、やや重硬。
器具、薪炭などに使われる。
歴史・文化的な特徴
丘陵や山の尾根に自生するが、若葉が食用となるため、飢饉に備えて植栽・貯蔵・採取を「令法(りょうぼう)」によって命じたことから、リョウブと名付けられたとされる。
戦国時代から若葉を食用として乾燥保存し、救荒食物として葉を乾燥して備蓄し、飢饉に供えるよう法令で定めたことからついた。
表面にはつやがなく、無毛または微毛を生じる。
枝先にらせん状につくが、枝先にまとまる傾向が強い。雌雄同株。
夏には花が咲き、花弁は白く5裂する。
枝先の長い総状花序に多数の花をつけ、よく目立つ。
果実はさく果で3つに割れる。若葉は食用になる。
科属名 | リョウブ科 |
分類 | 落葉高木 |
峰の原 分布 |
緋の滝・コロボックルの稜線 |
樹皮 | 樹皮は薄く剥がれ、剥がれたあとは滑らかな薄い茶褐色 |
葉 (新緑) |
若芽は天ぷらやリョウブ飯として食される |
葉 (黄葉) |
黄色く黄葉 |
花 | 7~9月に枝先に総状花序を円錐状に出し、白い小さな花を沢山つける。 蜜蜂の蜜源になる。 |
実 | 米粒状 |
冬 (冬芽) |
薄い芽鱗が傘のように開いてスナフキンのように見える |
五感でたのしむ
《嗜む》
食材(新芽・実等) | 天ぷら、リョウブ飯 | 5月頃 |
《暮らす》
建材(幹等) | 床柱 | — |
家具(幹等) | 家具 | — |
小物・工芸品 (樹皮・幹等) |
ろくろ細工 道具の柄 |
— |
《賑わう》
昆虫 | オトシブミ 部位:虫こぶ |
8月頃 |