2025/7/10 「フォレストデザイナー養成講座」フォローアップ研修1 実施レポート
― 峰の原高原で学ぶ「立ち枯れ木伐採」の実践 ―
2025年7月10日、峰の原高原にてフォレストデザイナー養成講座 フォローアップ研修①を実施しました。本来は6月に実施予定でしたが雨天により延期となり、フォローアップ研修②が先に実施することになったので順番が入れ替わってしまいました。
本研修は、これまでにチェーンソーによる伐木等特別教育を修了した参加者を対象とした実践的なフォローアップ研修として開催したものです。
Forest Field Mienoharaでは、森林を「守る対象」としてだけでなく、「人が関わり続けることで価値を生み出すフィールド」と捉えています。そのため、資格取得や座学で得た知識を、実際の森林でどう活かすかを重視し、現場に即した研修機会を継続的に設けています。
今回の研修は、そうした考え方を具体的に形にする取り組みの一つです。
■ 研修の舞台:峰の原高原の森林と立ち枯れ木の課題
研修フィールドとなった峰の原高原周辺の森林には、長年の間伐不足や環境変化により、立ち枯れした木が点在しています。立ち枯れ木は、生態系の一部として一定の役割を果たす一方で、場所によっては倒木による事故や、作業・利用の妨げとなるケースもあります。
特に人が立ち入るエリアや、今後の森林活用を想定している場所では、安全性の確保と適切な管理が欠かせません。今回の研修では、そうした現実的な課題に向き合いながら、立ち枯れ木伐採を題材に実践的な技術と判断力を磨くことを目的としました。
■ チェーンソーを使うからこそ「安全」と「判断」を最優先に
当日はまず、作業に入る前に安全確認と現場共有を丁寧に行いました。ヘルメット、防護ズボン、防振手袋などの装備確認に加え、チェーンソーの点検、作業エリアの確認、退避経路の設定など、基本でありながら最も重要な工程を改めて確認します。
チェーンソーによる伐木作業は、知識や技術だけでなく、現場ごとの状況判断が不可欠です。木の傾き、腐朽の進行状況、周囲の立木や地形、風の影響など、同じ条件は一つとしてありません。
参加者は指導のもと、一本一本の立ち枯れ木を前に「この木はどう倒れる可能性があるか」「どこに危険が潜んでいるか」を考え、意見を出し合いながら作業を進めていきました。
■ 実践だからこそ見える“教科書では学べないこと”
実際の伐採作業では、チェーンソーの操作だけでなく、受け口・追い口の考え方、伐倒方向の見極め、想定外の動きへの対応など、特別教育で学んだ内容を現場で一つひとつ確認していきました。
立ち枯れ木は内部が腐っている場合も多く、切り進める中で想定と異なる挙動を示すことがあります。そうした場面では作業を止め、状況を再確認し、無理をしない判断を徹底しました。
「実際にやってみて初めて分かることが多い」「現場での緊張感が、知識の理解を深めてくれる」
参加者からは、座学や訓練では得られない学びについて多くの声が聞かれました。
■ フォレストデザイナーとして“森とどう関わるか”
本研修は、単に伐採技術を向上させることを目的としたものではありません。Forest Field Mienoharaが考えるフォレストデザイナーとは、森の状態を読み取り、必要な手入れを判断し、人と森の関係をデザインできる人材です。
立ち枯れ木を「すべて危険だから切る」のではなく、「残す意味があるのか」「今切るべきか」「どう活用できるか」を考える。その判断の積み重ねが、持続可能な森林活用につながっていきます。
研修の最後には、今回伐採した木を今後どのように活用できるか、薪や資材、学習素材としての可能性についても意見交換を行いました。
■ 次につながるフォローアップ研修へ
今回のフォローアップ研修①は、参加者にとっても、Forest Field Mienoharaにとっても、実践を通じて学びを深める貴重な機会となりました。今後もフォローアップ研修を継続し、段階的に技術と経験を積み重ねられる場をつくっていく予定です。
森は一度手を入れて終わりではなく、関わり続けることで応えてくれる存在です。峰の原高原のフィールドを活用しながら、人材育成と森林整備を両立させる取り組みを、これからも進めていきます。
ご参加いただいた皆さま、そして日頃からForest Field Mienoharaの活動を支えてくださっている皆さまに、心より感謝申し上げます。今後の取り組みも、ぜひご注目ください。

